ボトル

いいんだよ

真夏の北極

 

 先ほどすいかグミというお菓子を買った。コンビニなどで売っている小さくてカラフルなパウチ。一口サイズのお菓子は好きだがグミは正直ハズレも多いので普段はドライフルーツやチョコを買う。グミならだいたいグレープ味しか買わない。

 

 ではなぜすいかグミを買ったのか。私もただの気まぐれだと思っていた。レジでお金を払うまでは。

 

 さて開けるぞと目の前に掲げ、「どうぞここからおあけください」と言わんばかりの切り目に手を添えた。

 

 ふとパッケージのデザインが目に入る。

大きなすいかを真ん中に、「夏を感じるミニチュアすいか」と横書きで書かれている。背景に浮かぶ色とりどりの水玉模様はラムネサイダーやかき氷のシロップ、花火など夏の風物詩を連想させる色味だ。

 

 そして、いた。シロクマだ。

 

 どうやら私は、このシロクマに惹かれてこのお菓子を買ったみたいだ。それも無意識のうちに。それに気づいたときはうっかり声が出そうになった。

涼しげな表情で自分より5倍ほど大きいすいかにしがみつくシロクマ。

なんてキュート!

 

ところで、ふと思った。 

白いくまが夏を満喫する、という状況が、自分の中で「夏らしい」風景として定着したのはいつからだろう。

 

 モチーフにされているシロクマはおそらく、北極で王として君臨しているあのクマだ。たぶん体はあたたかな毛で覆われているし、寒い地域でアザラシかなんかを殴って暮らしているイメージがある。もともとのホッキョクグマからすれば、日本のむし暑い夏には全く無縁の存在と言えるだろう。

 しかしシロクマは私の頭の中では夏になればバカンスを楽しんでいる。

(このバカンスを楽しんでいる想像上のシロクマのことを「夏シロクマ」と呼ぶことにする)

 

そう、暑い砂浜で、パラソルの下で寝転がり、パイナップルの刺さったジュースを飲みながら、サングラスと......ピンクの海パン......

 

 ここまで自分の思考を突き詰めていくと、頭の中の夏シロクマの正体がわかってきた

 

 

アイスクライマーのシロクマだ。

 

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 しかしアイスクライマーといえばスマブラXで1回使った程度で、原作ゲーム自体は一度もやったことがない。

なのでこれ以上は考えるのをやめにした。

 

 

 ところで私は「クマ」がかなり好きである。最近妹に指摘されて気付いた。

 

アジアの純真」という曲がある。PUFFYの楽曲で、これも暑くじっとりとまとわりつくような真夏の夜を想像させる曲だ。歌詞の大半の意味はわからないが、私の好きなパートがある。

 

"白のパンダを どれでも全部並べて

ピュアなハートが

夜空に弾け飛びそうに

輝いている 火花のように"

 

興味があれば聞いて欲しい。夏とシロクマの感覚が歌われている。

 

 そして夏のシロクマといえばカップアイスだ。シロクマと呼んだアイスは、小さい頃たまに食べた。それゆえ、バニラのアイスクリームだったかかき氷だったかさえもあやふやだが、とにかくそれらの上にキラキラのったイチゴやみかんが幼心をグッと惹きつけた。ハーゲンダッツよりも早く知ったご褒美だ。

 

 クマ型の動物というくくりに当てはまるならなかでもパンダが1番好きなのだが、そのシルエットそのものがどうやら気に入っているらしい。クマが描いてあると手にとってしまうほどに。

 

 私には大切にしているテディベアがいる。オーソドックスな茶色いクマのぬいぐるみで、首に巻いている赤いリボンはくちゃくちゃになってしまった。名前は「ジンジャー」という。「ジャーくん」と呼んでいる。なぜ「ジンくん」ではないのか、幼少の頃の自分のセンスはわからないものだ。

一人暮らしの家にも持っていったし、大阪に帰ってからも部屋に飾ってある。

 

 あれは私が生まれた記念にと贈られたものらしいが、それを知ったのは確か8歳ごろのことだ。

正確にいえば、「理解した」。贈られたものを大切にするということを理解したので、その時に名前をつけた。それより前のジャーくんの扱いを私はまったく覚えていない。

 

 「大切なものに対して大切と思う」ということをあの時点で完全に理解したのはなかなかかしこかった。あのイベントがなければクマのスチルは絶対に手に入らなかった。

 

 夏シロクマもジャーくんもいつでも肯定的な印象をくれる。

日本のたまらぬ夏をぎゅっと握りしめて、北極の流氷でかき氷をつくる。 空の青さでブルーハワイシロップを選ぶだろう。海パンもいい。アロハシャツも似合うだろう。

 

あと、すいかのグミはハズレでした。