ボトル

good night mare

フィクション

お役所仕事

「絵しりとりの流れを止めるやつは重罪ですよ!」 この国では絵しりとりの流れを止めることは法律により禁じられており、違反したものは手足指を裂かれ歯を全部抜かれへそを無理やり開いて殺される。それを定めたのは我らが女王様だ。麗らかな午後、今日も重…

産直アルビノジャム

「今朝、浮雲の定置網に珍しいシャボン玉が沢山かかっていたのでよかったらたべてください。うちでは食べきれなくって」 ご近所で農家をしているイッカクさんが届けてくれた。 「ほんとだ珍しい色のシャボン玉ですね。透明じゃなくて、白い」 イッカクさんによる…

つめたい姉貴をエスコート

「姉貴!おい姉貴!」 そんな野太い声が聞こえてきて、俺は顔を上げた。 3番線ホーム、進行方向一番端のベンチ。それが平日の指定席。住宅街とも、ビジネス街とも取れるような、中途半端な街並みの中にあるこの駅が、自分の最寄り駅だ。 生まれてからずっと…

地球儀の外側にも酸素がある件wwww

気づけば空には2つの月があった。目が開けられないほどまばゆい光を放つ、青白い球体。おそろしく寒い。一体ここはどこなんだ。目の前に広がる砂漠のような景色。しかし、砂は浅く、地面は凍ったように固く冷たい。 はだしのまま、少し地面をけってみる。固…

オリーブの実

メルカリノモノガタリ に触発されたので、私もフリマサイトの嘘の思い出を書いてみる。 もう3〜4年ほど前の話だ。メルカリというアプリをインストールした。 私はハンドルネームをつけられる状況において、基本的に本当の名前は使わない。その上、SNSなどで…

帰り際の封筒

久しぶりに街へ出た。 友人のシロクマが、近々大阪へやってくるとのことで、連絡をくれたのだ。 シロクマはスマートフォンを持たない。北極には、黒電話がひとつあるのみなんだそうだ。それを他のシロクマや、青い魚や飛ばぬ鳥たちと譲り合って使っている。 …

どくさいスイッチといちごみるく

起き抜け、いきなり死にたいとおもった。 テーブルに昨日買って飲み干さなかったいちごみるくがあった。 喉がカラカラだった。昨日はなにをしていたんだっけ。 世界は自分1人になっていた。なぜならどくさいスイッチを押したから。 それがどくさいスイッチで…